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南アルプス、白峰三山縦走 北岳(3193m)〜間ノ岳(3189m)〜農鳥岳(3026m) |
●山行日 平成18年8月20日〜25日 ●天候 曇時々晴れ |
★★★所属するKACの先輩のIさんからお誘いを受けて、生まれて初めて、アルプスと名の付く山に行ってきました。 メンバーは、Iさん、Aさん夫妻と私の4名です。 富士山に次ぐ日本2位の標高の北岳と、4位の間ノ岳、農鳥岳といずれも南アルプスを代表する3000mの山々を縦走してきました★★★ |
8月20日 広河原山荘までのアプローチ |
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▲▲▲ 九州からアルプスを目指すとなると登山口までのアプローチが大変です。 当日は朝4時から起きて待機しました。 久留米を6時23分の電車で出発して博多駅で新幹線に乗り換え、名古屋から中央線を塩尻乗換えで甲府に向かいます。 久留米を出発直後に列車事故があって一時間遅れたのですが、その後の接続が良かったので一時間遅れの3時過ぎに甲府に到着出来ました。 甲府からタクシーで広河原には4時40分に到着です。 自分の寝場所を確保して、夕食です。 さすが山梨県、ワイン付です。 この山荘は近くまで車が入るために設備が整っています。 消灯は8時、さあ気持ちよく寝る事が出来るでしょうか。 |
博多駅 | 広河原山荘 | 広河原山荘2F |
8月21日 広河原山荘(5:00)(1520m)〜大樺沢経由二又(7:34)(2220m)〜小太郎尾根(10:23)(2850m)〜北岳肩ノ小屋(11:24)(3010m) |
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▲▲▲ 昨晩はやはり、あまり寝れないままに朝を迎えました。 眠れない夜は朝までが長いですね。 4時前に起床してあわただしく食事や出発の準備をします。 5時、広河原山荘を出発です。 天気予報は、雲が多いものの晴れとの事。 途中、尾根コースを右に見送って大樺沢コースを上がります。 本来のコースは左岸についているようですが、崩壊のために一部右岸を迂回しています。 高度を上げてゆくと正面奥に北岳が少し見えてきました。 後ろを振り返ると鳳凰三山が逆光に浮かび上がって見えます。 登山道の傍に咲く花たちを愛でながら順調に高度を稼いで二股に到着です。 |
鳳凰三山 | ミヤマハナシノブ | 二股手前 |
キタダケトリカブト | ヤナギラン |
▲▲▲ 多くの登山者が休憩を取っています。 左又にはかなり汚れていますが雪渓が残っています。 私達は右又コースを取ります。 ここで北岳登頂99回目という方に出会いました。 さっさと私達を抜いていったのですが、年齢は72歳との事、お元気なものです。 ここから尾根に乗るまで急登が続きます。 しんどい所ですが、周りの木々や花や風景に癒されながら高度を上げてゆきます。 1500mの標高差の上りは九州の山では未経験です。 しかし時間はゆっくりありますので、一歩一歩、着実に踏んでゆけばそのうちに到着するはずです。 |
二股で憩う | クガイソウ | 雪渓 |
マルバダケブキとダケカンバ | イブキトラノオ |
▲▲▲ 登山口から5時間以上の時間を経てようやく稜線に到着です。 足元には小さな高山植物がいっぱい。 ガスがかかっていて周りの風景は良く見えませんが、広い尾根で初めてアルプスの風を感じました。 肩ノ小屋までゆっくりと時間をかけて稜線を歩きました。 北岳肩ノ小屋の標高は3020m、私にとって初めての3000mです。 肩ノ小屋のご主人の話では、最近は朝方と夕方に天気が安定するとの事、写真好きのAさんと二人で北岳山頂からの写真撮影のために夕方、登ることにします。 小屋で一眠りして4時から出発です。 |
小太郎尾根 | ミヤマコゴメグサ | 小太郎尾根 |
北岳方面 | 湧き上がるガス | 北岳肩ノ小屋 |
チシマギキョウ | トウヤクリンドウ |
肩ノ小屋に向かう尾根 |
▲▲▲ ザックを置いて身軽になって、30分で北岳山頂に到着です。 南の鞍部に北岳山荘の赤い屋根が小さく見えます。 そこから南に伸びる尾根が間ノ岳の山頂へと連なっています。 振り返る北方には肩ノ小屋の青い屋根、その向こうに小太郎山、その奥高く聳え立つ三角錐は甲斐駒ケ岳。 右手に鳳凰三山、左手に仙丈ヶ岳。 雲の合間に見え隠れする山々の姿を目に焼き付けました。 遠くに雷鳴が聞こえます。 明日、また登りますので、本日は早々と引き上げです。 |
北岳山頂 | ヨツバシオガマ | 北岳肩ノ小屋 |
北岳から北方、肩ノ小屋、小太郎山、甲斐駒ケ岳 |
標高二位の北岳山頂部(3193m)と南方、間ノ岳、農鳥岳方面 |
北岳山頂から間ノ岳、農鳥岳 |
8月22日 北岳肩ノ小屋(6:08)(3010m)〜北岳(7:00)(3193m)〜北岳山荘(8:50)(2880m)〜中白根山(9:50)(3055m)〜間ノ岳(11:08)(3189m)〜農鳥小屋(13:21)(2800m) |
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▲▲▲ 朝起きて外に出てみると、大変残念ながらガスが出ています。 出発を遅らせて6時過ぎに小屋を出ます。 途中から霧雨となり雨着とザックカバーを装着します。 黙々と登りあげて北岳山頂に到着しますが、ガスは晴れません。 記念写真を撮って北岳山荘へと下山を開始します。 この区間は高山植物の宝庫です。 次から次へとお花畑が現れてなかなか前に進みません。 先を急ぐわけではありませんので、ゆっくりと時間をかけて植物の観察や撮影を楽しみます。 北岳山荘のすぐ手前の尾根に鐘が設置されています。 鳴らすと綺麗な音色が南アルプスの山に響きました。 |
肩ノ小屋のテン場 | 千丈ヶ岳 | 北岳山荘 |
肩ノ小屋から北岳に向かう登山者 |
北岳山頂から北岳山荘、中白根山方面 |
▲▲▲ アルプスの花たち |
ミヤマキンポウゲ | イワツメクサ |
ミヤマナデシコ | トウヤクリンドウ |
ヨツバシオガマ | ミネウスユキソウ |
タカネツメクサ | チシマギキョウ |
▲▲▲ 北岳山荘は公営で立派なバイオトイレの設置された近代的な山小屋です。 自主申告150円のインスタントコーヒーで一休みです。 一息入れてさあ、これから中白根山を経由して間ノ岳まで300mほどの上りになります。 登りあげた間ノ岳の山頂からも展望はいまひとつ、雲が多くて冴えません。 それでも山頂直下の台地では素敵なお花畑を見つけて満足です。 |
北岳山荘 | 北岳山荘 | 間ノ岳山頂 |
中白根山から間ノ岳 |
中白根山から |
チングルマ |
▲▲▲ 間ノ岳山頂から鞍部の農鳥小屋までは400m弱の下りになります。 長いガレ場をトラバース気味に下ると岩石とハイ松の広場に出ます。 ここで雷鳥の親子に出会いました。後で画像を拡大してみると一羽の子供の足首に識別用のわっかがはめられていました。 時間もあるので広場の先の肩まで移動して正面に見え隠れする農鳥岳の雲の切れるのを待ちました。 しばらく待ったのですが完全に雲が切れることはないので、諦めて農鳥小屋へと下ります。 |
ガレ場をトラバース | 岩石とハイ松の広場 | 雷鳥の子供 |
農鳥岳と小屋を展望 |
▲▲▲ 農鳥小屋は間ノ岳と農鳥岳の鞍部にあります。 周りを岩石で囲んで一段低い場所に風を避けるように造られています。 三山縦走の中間地点に当たり、縦走の要点ではありますが、厳しい環境でもあります。 水は天からの貰い水、多くのドラム缶がありますが、大勢の登山客の要望を満たすには不足のようです。 ここのご主人はちょっと偏屈な名物男と言われているそうですが、一人でこの小屋の経営をするのは大変な事だと思われます。 子供にはこの商売は継がせないと言っていますので、現ご主人の止められた後は小屋はどうなるのででしょうか。 |
農鳥小屋、手前の方がご主人 | 農鳥小屋 | 農鳥小屋と農鳥岳 |
8月23日 農鳥小屋(5:35)(2800m)〜西農鳥岳(6:45)(3050m)〜農鳥岳(7:50)(3026m)〜大門沢下降点(8:55)(2820m)〜大門沢小屋(12:00)(1710m) |
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▲▲▲ 昨晩は雷を伴う雨でしたので、ご来光は諦めていたのですが、朝、外に出てみると雲一つ無い快晴です。 南東の黎明の空に富士山が浮かんで見えます。 今日は素晴らしい展望が期待出来そうです。 食事を済まして早朝の山々を撮影しました。 鳳凰三山の右手からご来光です。 北側の間ノ岳、南の農鳥岳は朝の低い光に深い陰影を刻んで見事な姿です。 |
ご来光、右手に富士山 |
西農鳥岳と農鳥岳 |
富士山 |
間ノ岳 |
▲▲▲ 準備を済ませて西農鳥岳へと向かいます。 振り返れば農鳥小屋の赤い屋根が次第に小さくなって行きます。 岩とハイ松の緑と空の青さが素晴らしいコントラストです。 山頂近く、岩峰を西へ回り込むと塩見岳のドーム型山頂が見えてきました。 ここで小屋で一緒だった方が下りてこられました。 68歳の単独登山の方ですが、西農鳥岳までのピストンとの事、この方も写真好きなようで一脚を使用して撮影されていました。 |
ハイ松帯を抜けて西農鳥へ |
西農鳥岳より間ノ岳を振り返り見る |
塩見岳 |
▲▲▲ 西農鳥岳から農鳥岳へは稜線の下部の岩場をトラバースして進みます。 8時前に農鳥岳に到着です。 今回の三山縦走の最後のピークになります。 早朝は快晴だったのですが、この時間になると青空ではあるものの霧が上がってきて稜線を覆い始めました。 さあ、これからは今日の宿の大門沢小屋まで1300mの下りです。 |
正面の山が農鳥岳 |
岩場をトラバース |
農鳥岳山頂から西農鳥岳を見る |
▲▲▲ 大門沢下降点までは、稜線を外れてゆったりした台地を下ります。 稜線の向こうの青空が大変綺麗です。 山腹のハイ松は遠くから見ると地図のようにも見えます。 ほどなく遭難碑のある下降点に到着します。 ここからすぐ南の広河内岳に寄り道する計画もあったのですが、あいにく霧の中でしたので、中止とします。 下降点から下り始めてすぐに、単独の若い女性と出会いました。 彼女は大門沢小屋で働いていて、北岳肩ノ小屋で働いている男友達と農鳥岳山頂で待ち合わせしているとの事。 なかなかハードなデートですね。 私達はひたすら下り続けて3時間、ようやく大門沢小屋に到着です。 到着するなり下の沢に下りて全員水浴びです。 何日かぶりに本当にすっきりしました。 |
下山開始 |
ハイ松と青空 | 大門沢下降点 | 大門沢小屋 |
8月24日 大門沢小屋(5:40)(1710m)〜広河内橋(8:46)(860m)〜奈良田(9:25)(820m)〜身延経由甲府 |
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▲▲▲ 今日は山中の最終日、登山口の広河内橋まで約850mの下りです。 昨晩、降雨があったようで岩石が濡れて滑りやすくなっています。 先日の大雨で流された丸木橋は全て修復されていますが、これも滑りやすいので大変です。 揺れの大きな吊橋も2箇所あります。 土石流止めの堰堤工事が行われている場所から先は、道路歩きとなります。 途中の休憩所で単独の大学生と一緒になり広河内橋まで同行します。 発電所の建物が見えてくると登山口の広河内橋は間近です。 標準タイムの3時間で下山できたようです。 このあと、早田川に沿って奈良田の里まで歩きます。 13:50発の身延行きバスに乗車する事にしてして、その間4時間ほど、奈良田の里でゆっくりしました。 公営の奈良田温泉、白旗史朗氏の作品を展示する南アルプス山岳写真館などあります。 |
丸木橋 | 吊り橋 | 奈良田温泉 |
8月25日 甲府〜名古屋〜久留米 |
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▲▲▲ 昨晩は甲府駅前のビジネス旅館「中央閣」に宿泊です。 午前中、甲府の町を観光して12:31あずさ15号に乗車、しなの14号、のぞみ35号で博多、久留米には予定通り20:25分到着です。 |
中央閣 | 武田神社 | 甲府城跡 |