ミドリムヨウラン

ラン科ムヨウラン属

葉を持たず菌根菌に栄養を依存する菌従属栄養植物。草丈は30-40ｃｍ、花期は5-6月、茎頂に1-3の小花を付ける。
茎、萼片、花弁とも茶褐色に緑が混じる。花は平開しないことが多く萼片、花弁は先端部分が強く反り返る。
唇弁は3裂して中裂片の両側と側裂片の先端に目立った不整欠刻があり、蕊柱に近い縁には微細な不整歯牙がある。
分布は鹿児島、宮崎、大分、台湾。環境省絶滅危惧ⅠA 類（CR）

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
本日はウスキムヨウランとキバナノウスキムヨウランを見て
そして本日三番目のムヨウランの仲間です

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
草丈が高いものでは40㎝ほどあります　
5ｍ四方に10株ほどありました

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
最初はムヨウランと思ったのですがよく見ると花の色が違います

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
何かぞくぞくして引き込まれるような深い緑色です

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
唇弁には黄色の毛状の突起があります

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
茎も緑色

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
副がく下の膨らみはあるようなないような、はっきりわかりません

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
この果実痕でみるとふくらみは無いようです

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
美しい色です　
貴方は誰？
ムヨウランさん？
or
ミドリムヨウランさん？

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて
この花は珍しく上向きに咲いてました　
左側の二枚の側がく片の深い緑色、萼片先端の強い反り、唇弁の色形
などからみるとミドリムヨウランの特徴と極めて一致するように思われるのですが・・

ミドリムヨウラン
2024.06.01　某所にて

美しいな～
ミドリムヨウランは発見当初は屋久島固有種と考えらえていました。
近年、宮崎県延岡市、台湾、鹿児島県奄美大島で分布することが明らかになりました。　
その後2018年に大分県佐伯市で発見され現在、本種の北限地になっています。
今回私が観察した場所は佐伯市よりもさらに北に位置してます。
研究者の方に画像を見て頂きたいのですがとりあえずまとめてみました。

当日見つけたムヨウランのなかでミドリムヨウランではないかと推測したムヨウランについてですが　
その後、神戸大学の末次教授に画像を見て頂きました。
ミドリムヨウランでほぼ間違いないとの見立てを頂きました。
今後は新分布地として正式に認められるために標本を採取して公的な博物館に収める予定とのことです。

その後、標本採取のために現地のレッドデーター関係者の方と情報を共有することになりました。
多少の紆余曲折がありましたが、最終的に現地でレッドデーター関係者の方をご案内することが出来ました。
ただ時すでに遅く開花の時期を過ぎてしまっていたため、来年に持ち越して調査を継続することになりました。
実はミドリムヨウランの発見後、九州ではこれまで宮崎県でしか分布が発表されていないエンシュウムヨウランの分布も発見しました。
これも末次教授から同定して頂きました。