野草観察ノート

エンシュウムヨウラン
ラン科 ムヨウラン属
エンシュウムヨウランは草丈は15-20pでウスキムヨウランと並んで小型のムヨウラン。
花色は黄褐色で唇弁上部に黄色の毛を密生する。副萼下に膨らみがある。花期は5-6月。
分布は当初、 愛知県、静岡県で発見されたがその後、茨城県と埼玉県、大阪府、奈良県、京都府、高知県、宮崎県などで見つかっている。
エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

2024年6月1日にミドリムヨウランを発見してその後同年6月6日に同じエリアでムヨウランを二株発見しました。
もう少しまとまって生育している場所は無いだろうかと付近一帯を探しました。
その中で見つけたのがこのエンシュウムヨウランでした。
草丈は15-20cmで10株ほどまとまってありました。
このエリアに数えきれないほどあるウスキムヨウランと一見変わらないのですが
花の色の黄みがやや強くて何か違和感を感じました。
唇弁を見ると黄色でウスキムヨウランではないことはすぐに分かりました。

自宅に帰って調べてみるとエンシュウムヨウランの特徴に合致する点が多いのです。
愛知、静岡付近では比較的多いいものの九州での発見例はこれまで宮崎県しか無いようです。
さっそくミドリムヨウランを同定して頂いた末次教授に鑑定を依頼したところエンシュウムヨウランで間違いないようですとのご返事を頂きました。

このエリアでウスキムヨウラン、キバナウスキムヨウラン(未同定)、ミドリムヨウラン、ムヨウラン、エンシュウムヨウランの5種のムヨウランを観察することになり大変驚きました。

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて
花の下部に副萼と呼ばれる部分がありその下の膨らみの有無がムヨウランの種の判別に重要なポイントとなります 
エンシュウムヨウランには膨らみがありムヨウランには膨らみがありません

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて
旧年度の実の残骸ですが副萼が残っているので膨らみの有無を観察できます

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて
草丈は小型で15-20cmほど
エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて

エンシュウムヨウラン
2024.06.08 某所にて