昭和58年(1978年)5月発売。外見、機能ともベーシックなカメラでキャッチフレーズどうりの<シンプルニコン>である。しかし開発プロセスでは様々なチャレンジが試みられてその後のニコンの電子化されたカメラの原点となった機種でもある。露出は絞り優先AEとマニュアルが簡単に選択できる。シャッターは電子制御だが1/90秒とバルブは機械式のため電池なしでも使用できる。露出計はアナログ追針式でメーター針の上下の振れは視覚的に見やすく楽しい。また誤操作にたいしても裏蓋開閉ロック、フィルム感度設定ロック、露出補正ロックなど細かい安全配慮がされている。感覚的には巻き上げレバーのしなやかさは特筆ものだ。ジィジィ-と軽い操作で巻き上がる。この感触が好きで空シャッターを何度も切っては愉悦に浸ることがある。この巻き上げレバーが電気回路のスイッチになっているがレバーを戻し忘れて何度も電池を放電させてしまったことがある。この点はキャノンのレリーズ半押しでオンになる方式のほうが使いやすい。FEの後継機となるFE2は1/4000秒シャッター、シンクロ同調スピード1/250秒を達成し1983年に発売された。写真の黒ボデーFEは1995年頃フジヤカメラの通販でボデー\25.000くらいで購入した。今この記事を書くためにフジヤカメラの中古価格を検索したがFEが\25.000、FE2が¥33.000だった。ちょっと前まではFE2が馬鹿高値をつけていたが常識的な価格差になってきたようだ。ちなみにFEの1978年発売当時の価格は\69,000(ブラック仕上げ\4.000高)だった。
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