九州の山野草

ネネシカズラ(根無蔓)
ネナシカズラ科
ネナシカズラは寄生植物。
良く知られたナンバンギセルはイネ科の植物に寄生するがネナシカズラはあまり相手を選ばない。
種子から芽生えたネナシカズラは宿主を探して周りの植物につるを巻き付けて伸びる。
適当な宿主を見つけると吸盤のような吸い口(寄生根)で宿主から水や栄養を横流しするルートを作る。
寄生の形が整うとネナシカズラの根は消失する。
かくして葉もない根もないネナシカズラのヒモ的生活形態が完成する。
2021.09.21 福岡県
一見ユーモラスで可愛げな花

花筒の先が5裂
雄しべ5個
雌しべ1個


生姜のような花序
ほんのりピンクになっている先端が花になるのだろう。
粘土から花が咲くみたいで不思議な感覚がする。


花のデッサンが透けて見える

このネナシカズラが選んだ宿主は同じツル植物のクズ。
クズは旺盛な繁殖力があり相手に取って不足は無い。


直径1.5ミリほどのしっかりしたツルを縦横無尽に張り巡らしている

クズの茎にネナシカズラが巻き付いている。
巻き付いた接触部分を剥がしてみた。


こちらはクズ。
接触面に点々と痕跡が現れた。


こちらはネナシカズラ。
ここから寄生根を出しているのだろう。


拡大してみるとクズの組織内に侵入している様子が伺える。

口直しに花をもう一度

う〜ん、花は可愛いけど・・