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国見岳(1739m)〜五勇山(1662m)縦走

●九州脊梁山脈の盟主、国見岳(熊本県&宮崎県)●
●山行き日 2003.9.6 晴れ●
●メンバー単独、登頂回数 初●


 路程 
3:55  広川インター
4:30  御船インター
5:20  内大臣橋
6:30  杉の木谷登山口
6:50
09:38  国見岳
10:11    
11:54  五勇山      
12:35  
14:00  国見岳      
14:15
16:00  杉の木谷登山口


国見岳山頂の社と一等三角点




赤線はGPSの登路ログ

■■前日21時に就寝、予定通り3時に起床。
 コンビニで弁当を買ったり給油をしたりして4時前に広川から高速に乗る。
 御船インターで降りて甲佐の町を抜ける。このあたり昔は、夜は何も無かったがコンビニが数件も出来ていてビックリ。
 山中の夜の道は周囲の状況がわかりずらい。目標にしていた霊台橋はいつのまにか通過して気がつくと緑川ダムだった。三本松から内大臣橋への小さな標識を頼りに谷道へ入った。



■■昭和38年完成時は東洋一のアーチ橋といわれた、内大臣橋だが暗くてはその規模もよくわからない。
 橋を渡って林道取り付きへの道がわかりにくいという記述を目にしていたが私も間違ってしまった。
 狭い舗装路を道なりに走っていくと急カーブの連続でいきなり高いところまで上がってしまった。
 引き返して良く見るとカーブに入る手前から左へ林道入り口があった。



■■杉の木谷登山口まではここから15kmほどだ。林道の状況はそれほど悪くはないが配水管工事の跡地が盛り上がっていて車高の低いセダンはその都度、腹を擦り少々きびしかった。
 広河原、ゆうがわ谷登山口を経て杉の木谷登山口に着いたのは6時半。この林道はその先、標高1420mの、椎矢峠を越えて椎葉村へと通じている。



■■登山口でのGPSの標高表示は1049mだ。
 支度を整え登山届に記帳して6:55スタート。
 直後から杉林の中のいきなりの急登に息があがる。100mほど登ると植林地から自然林へ変わって行く。途中、山頂まで3kの表示を見てスタートから30分ほどで旧林道と出会う。
 5分ほど休憩を取ってる間に一人の登山者と出会い簡単に挨拶をする。10分ほど林道を辿ると終点でちょっとした広場(1275m)になっている。



■■ここから左手につけられた登路にとりつく。次の目標地点の高岳からの尾根との出会い地点まで275mの標高差だ。
 この区間はブナ、ヒメシャラ、ツガなどの巨木の森だ。
 登路も緩やかで歩きやすい。広葉樹の大木が多いので森全体が明るい。倒木も多いが自然に風化されて緑の苔に覆われた様は見事だ。8時50分尾根に着いた。



登山道の3D俯瞰図

主要地点の標高
*ゆうかわ谷登山口 975m *尾根出会 1550m
*杉の木谷登山口 1049m 国見岳 1739m
*林道出会 1258m 小国見岳 1708m
*林道終点 1275m 五勇山 1662m
(*の地点は手元のGPSの計測値ですので参考値と考えてください)
区間距離
杉の木谷登山口〜3km〜国見岳〜3km〜五勇山



■■案内板が有り山頂まで40分とあった。
 今日も晴れ模様だが縦走路は木の葉の屋根の下、快適だ。緩やかに高度が上がるにつれ背丈の低い潅木が多くなってきた。標高1615m地点に頂上まで500mの標識あり。
 9時18分水場に着いた。ここはもう頂上直下で残り300mだ。真っ青な空が広がっている。どうしよう!この青空。思わず大声で叫びたい衝動にかられる。力水を口に含んであと一登りだ。









■■9時38分、頂上だ。お疲れさ〜んとわが身に声をかけてやる。
1739mの山頂には一等三角点と銅ぶきの小さな社があった。
 九州中央山地の盟主だけあって四周は遮るもののない眺望だ。南にはこれから向かう小国見岳、五勇山が黒く横たわっている。その向こうには市房山、石堂山、尾鈴山が霞んで見える。
 写真を撮り捲っているうちに予定の30分の休憩時間が過ぎた。

<国見岳山頂からの360度展望図はこちらから>









■■10時11分、小国見岳、五勇山への縦走スタート。案内板に3km、70分と書いてある。
 さきほどの水場から頂上一帯には石楠花の群落が続いている。花期には見事な光景だろう。石楠花のトンネルを潜って縦走路を下る。
 この縦走路は本当に素晴らしかった。倒木、緑の苔、落ち葉、縦走路自体のたたずまい、木の葉越しの光など、ナイスな被写体の連続で私は前に進めなかった。小国見岳の登り口まで20分の予定が1時間もかかってしまった。
 遅れを取り戻すべくカメラをバッグに納めて急ぎ足で五勇山へ向かう。





■■途中、同年輩の単独の登山者とすれちがう。軽く挨拶を交わす。
 向こうから聞こえてくる綺麗な野鳥の声に導かれて進んで行くとなんとその声はスピーカーから流れる鳥寄せ用のおとりの音だった。その主は朝方、林道で出会った人だった。
 人は色々な目的を持って山へ入るのだなと思った。鳥を捕るのが趣味なのだそうだ。今聞こえているのはコマドリで1500m以上の山に生息するとの事、自然保護の観点からいえば許されざる行為だろうが「好きなもんですから・・」と男は言った。


■■11時54分、予定を30分以上遅れて五勇山(1662m)に到達した。単なる尾根の延長といった感じの場所でピークも眺望もなく拍子抜けする。
 岩場から南西にわずかに視界がある。仰烏帽子山の方位だが確認は出来ない。
 ここで昼食タイム。甲佐のコンビニで缶ビールを買い忘れて残念!
 縦走路の途中ですれ違った人が戻ってきた。長崎からで昨夜、萱野という所で車中泊して五勇山から小国見岳まで行ってこれから下山との事、「五勇山という名前に惹かれて来たのですが・・」と、少々ガッカリされた様子だった。



■■12時33分、五勇山より折り返しスタート。登山口到着予定を16時とする。
 午後からは少し雲が広がってきた。陽がかげると風景に精彩がなくなる。同時に私の足腰にも疲れが見えてきた。なんでもない木の根に足を取られそうになったり道を間違えたりする。


■■14時ちょうど国見岳に戻ってきた。15分休憩して下山にかかる。
 久しぶりに今日は、膝が痛む。
 国見岳から五勇山の縦走路は標高差80mで、当初はほとんど平地を歩く感覚でしか考えてなかったが良く計算をしてみると五勇山へは230mの下り、150mの上りで国見岳へはその逆となる。つまり標高差380mの山を登って降りるのと同じ事になる訳だ。
 縦走路の見かけ上の安易さにペースを乱してはしゃぎ過ぎたのが膝痛の要因かも知れない。



■■15時16分、林道終点まで下山する。膝は痛むが一定以上は進行してない。
 林道をゆっくり下る。そして最後の急傾斜の杉林だ。砂利で滑りやすい足元を注意しながら降りる。
 15時59分登山口に到着。予定通りのタイムだった。アー疲れた!!しかし楽しかった。
 帰りは中央町の佐俣の湯で汗を流して帰りました。






写真は300枚ほど撮影していました。今回はすべてデジカメです。機種はオリンパスのC-3030zoomです。この機種も随分旧型になってしまいましたがコンパクトで多機能で高画質が気に入って未だに現役フル稼働です。


明るいブナの森


倒木も周りの風景に溶け込んでいる



緑、鮮やかな苔をまとった朽木


国見岳山頂直下、水場付近の尾根道


一面の苔に枯れ葉のアクセント


苔に着生した新しい生命


気持ちの良い縦走路、ときおり倒木が道を塞ぐ


小国見岳北山麓の縦走路


小国見岳北山麓の縦走路


自然庭園、小国見岳北山麓


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