阿蘇晩秋
2002.11.23〜24 撮影
会社を退職して平日に自由に行動できるようになり風景写真を撮影するには大変恵まれた状況になった。23日は朝から快晴模様で昼過ぎてから阿蘇に向かった。


久留米から山鹿、菊池、大津、西原村を経由して阿蘇に入った。俵山峠へのドライブウエーの左手に見えるこの山腹はいつもなにか気がかりで車を止めて撮影したくなるポイントである。現在この山腹には西原村から阿蘇に抜けるトンネルが掘られている。



俵山峠から久木野村に入ると阿蘇五岳が夕日に赤く染まっていた。阿蘇は谷なので日没は早い。



翌朝、日の出前の放牧地。さすがに高原の朝は寒い。昔は11月3日の文化の日を境に山から麓に牛馬を下ろすと聞いていたが今日はもう24日。冬でも枯れない改良牧草を使用しているのだろうか?



馬は本当に優しい目をしている。背景は北外輪山と阿蘇谷。



愛情交換?する二頭。互いに首筋を喉や顔で愛撫している。背後の横一直線の山が外輪山でその後ろの尖った山が九重連山の西端に位置する涌蓋山。



カチカチと音をたてて角を合わせている。これも愛情表現?



高原に立つ白馬。背景の山は九重連山。この日、視界良好でクリアーな風景だ。阿蘇谷の人の営みをじっと見つめているようだ。



朝日が赤牛を強く照らした。阿蘇の赤牛、豊後の黒牛といわれてきたが最近は阿蘇でもときおり黒牛を見かけるようになった。が、やはり阿蘇には赤牛が似合うと思う。



背景に私の好きな阿蘇根子岳を配して馬をシルエットで狙ってみた。



馬と違って牛は、いつも情けない顔をしていると思う。しかしシルエットにすると堂々とした形になる。特に私は牛の背中のラインが好きだ。



私の住んでいる久留米で生まれた大画家、坂本繁二郎は牛をモチーフに多くの作品を描いた。作品を見た夏目漱石が「牛がなにかを考えているようだ」と評したそうだが、この写真の牛は・・・・



収穫の終わった阿蘇谷から眺める阿蘇。阿蘇五岳はよく釈迦涅槃像に喩えられるがお顔にあたるギザギザの根子岳から喉にあたる日の尾峠に下って胸にあたる高岳に至るラインは見れば見るほど美しいと思う。



こちらは下半身にあたる部分で中岳から往生岳。晩秋の透明な空気が心地よい。



北外輪山麓手野の集落と黒川。北外輪山は標高800m台のほとんどフラットな山容で全周90キロのカルデラの半円をぐるっと囲んでいる。黒川は阿蘇谷の水を集めて外輪山の麓に沿って流れ下流に日本の滝100選に選ばれた数鹿流ヶ滝を造る。



色見から仰ぐ阿蘇根子岳。中央の尖った岩が天狗岩で標高1433m。岩の技術のない私は天狗のコルまでしか登ったことがなく憧れの念が強い。



休暇村付近から望む根子岳の勇姿。この角度から見る根子岳が一番美しいと思う。



清栄山、1006m。外輪山のこぶみたいな山だが360度の展望が素晴らしい。いつも気になっていた山だが登り口がよくわからず今回初めて登った。



清栄山への登路から見えるちょっと南画風な風景。



清栄山、山頂からの眺め。中央が根子岳、左が高岳、右手にうっすら見えるのが九重連山。



清栄山から高森の町並みを見る。後方の山は南外輪山、右手に少し見えているのが阿蘇五岳を含む中央火口丘。



最後に見納めの一枚、もう山の名前は覚えて頂けましたでしょうか?手前のこぶのある山はそのまんまラクダ山です。



撮影日記メニューへ


ホーム